« 肉体人間はみな50歩、100歩なのです。 2 | トップページ | 本当に素晴らしい人とはきっとこういう人をいうのでしょう 2 »

2013年9月 3日 (火)

本当に素晴らしい人とは、きっとこういう人をいうのでしょう。

 

妙好人とは、学問知識から宗教の門に入ったのではなく、先達の説法を聴聞しつづけ、たゆみなき称名念仏のうちに阿弥陀仏(仏さま)と一つになった人々のことを言います。

妙好とは、もと蓮花の美わしさを敬称しての言葉ではあるが、それを人間に移して、その信仰の美わしさに喩えたのである。



 
み仏のままに
 



妙好人宇右衛門さんの話
 
 

宗教の道は理屈でもなければ、上手な言葉のやりとりでもない、只神仏のみ心に沿った行いにある、と私はいつでも申しますが、浄土門に多い妙好人たちの生き方は、如来様のみ心のそのままの生き方で、私は常にその行動に強い感動をおぼえるのです。

またその妙好人の話を書いてみたいと思います。

兵庫県揖保郡太子町北村というところに、2百年前に、宇右衛門という馬子がおりましたが、この宇右衛門は、若い頃は力自慢で乱暴な人でしたが、或る時念仏の説法を聴聞しているうちに、後生の一大事、という阿弥陀如来の本願を聴かされ、非常に興味をもって念仏門に入ることになりました。

そして次第に心改まり、唱名念仏絶ゆることなき、昔とは別人の柔和にして不言実行の信者となり、馬子をやめて、農業に精を出し、かりそめにも人と争わぬ、法のまま生くる生活を身心に行じるようになりました。

太子町太田より南、山陽線に沿って山戸というところがあります。

この村の某という者が、亡父17回忌法事の記念に仏壇を買い、宇右衛門にこの礼拝を頼みました。

宇右衛門はその家を訪ね仏壇を礼拝して帰りましたが、その後で大変な問題が持ち上がりました。

それはその某が金25両を仏壇の引き出しにしまっておりまして、いよいよ入用だという日になってあけてみますと、その金子がありません。

仏壇の前に行った者は、家内の者か、宇右衛門しかおりません。 盗人の入った風もありません。

そこで某は女房に向い 「 宇右衛門さんは正直な念仏者ではあるが、凡夫だからふと盗み心が起こったのかも知れん。」 と話しますと、女房も同感したので、某は急いで宇右衛門の宅へ参り実はかようかようでと、さも言いにくげに申しました。

大抵の人ならこんな疑いをかけられたら、腹を立てて怒鳴りつけてしまうところですが、宇右衛門は怒るどころか、その話を聞き終わるなり、どうもすまぬことを致しました、といいながら、25両の金を渡してその罪をわびました。

さてその後、その人の隣の人が用事があって大阪へ行き、その人の息子の家に立ち寄り、四方山の話のついでに宇右衛門が、仏壇の引き出しから金を盗んだことを話しました。

息子はびっくりして、その金なら実は私が大阪に来る時に持ち出した、実に宇右衛門さんに済まぬことをした、と急いで山戸に帰り、両親に打ち明け、その足で宇右衛門の所へ行き、重々詫びながら25両を返しますと、宇右衛門はかえって気の毒そうに、それでは前生でお借りしておりませんでしたか、と言ってその金を受取りました。━

宇右衛門のこの素直さはどうでしょう。 現代の人からみたら、馬鹿ではなかろうかと思われますが、何事が出てきても、過去世の因縁現われと思いこみ、すべての出来事事柄を、過去世と結びつけていて、今生だけの出来事とは思っていないのです。

自分の顕在意識(あらわれいしき)では判らないが、すべては阿弥陀如来様のみ心によって現われてくることなので、その事柄が如何に自分に都合の悪い事柄であろうと、素直に受け切って生きてゆく、という素晴らしい生き方を、何気なく当然のこととして行じている、この宇右衛門の素直に徹した姿は光り輝く尊いものです。

現代人の人の生き方の習性は、自分のした間違った行為でも、何んとか言いぬけて、自己の損にならぬように、という、今生の瞬間瞬間、利害関係で動いているそういう人が多いのです。

天と地の差です。

これが白隠ほどの学問修行を積んだ人なら又別格ともいえるでしょうが、馬子上がりの百姓爺の学問知識のない人の行為なのですから、宗教の道は百知は一真実行に及ばず、という守護神の言葉がよく判ります。

妙好人宇右衛門には、そうした種々の話があります。 もう2、3書いてみましょう。

 

   「生きている念仏」 五井昌久 白光出版



 

 

« 肉体人間はみな50歩、100歩なのです。 2 | トップページ | 本当に素晴らしい人とはきっとこういう人をいうのでしょう 2 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/160971/53134866

この記事へのトラックバック一覧です: 本当に素晴らしい人とは、きっとこういう人をいうのでしょう。:

« 肉体人間はみな50歩、100歩なのです。 2 | トップページ | 本当に素晴らしい人とはきっとこういう人をいうのでしょう 2 »

最近のトラックバック

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ