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2013年3月21日 (木)

勉強は自分のためではなく、世の中のためにするものである 2

  
 
原文

  

一軒の家を守る者あれば、過分の働きをなしたる手柄もののやうに称すれども、この人はただの蟻(あり)の門人というべきのみ。

生涯の事業は蟻の右に出づるを得ず

学問の道を首唱して天下の人心を導き、推してこれを高尚の域に進ましむるには、

特に今の時をもって好機会とし、この機会に逢ふ者は、すなわち今の学者なれば、学者世のために勉強せざるべからず

 

 

訳文

マイホームを持ち、守る者があれば、並以上の働きをした立派な人のように言うが、この人たちはただ蟻の弟子というくらいのものだ。

生涯やったことも、蟻を超えることはできない。

学問の道を先頭に立って唱え、天下の人心を導いて、さらにこれを進めて高いレベルに持っていくには、とくにいまの時期が大きなチャンスである。

だとしたら世の中のために努力しないわけにはいかないだろう。

 

  

蟻のような一生で満足してはいけない

第九編にあたるこの文章は、福沢諭吉が故郷の友人に送ったものだ。

「蟻の門人となるなかれ」 とは、ただ働いて死ぬだけの蟻のような一生を送るな、という意味である。

もちろん自分の家族を持って、その人たちのために一生懸命働くことは尊いが、それだけのために生きるのだとしたら、人間に生まれたかいがない。

人として生まれたからには、世の中をよくするような生涯の事業に、自分の一生を賭けることがあってもいいのではないか、と福沢は言っているのだ。

人はどこかで自分の力を世の中に役立てていくことが、生まれてきた使命ではなかろうか。

私はNHKでやっていた 『 プロジェクトX 』  という番組が好きで、子どもと一緒によく見ていた。

黒部ダムや青函トンネルをつくった人たちのすさまじい記録や新幹線を開発した人の血がにじむような努力など、無名の人たちが一生懸命自分たちの職務に尽し、そのおかげで今の日本が出来上がっていったのがよくわかる。

『 プロジェクトX 』 のようなDVDを見て、刺激を受けるのもいい。

実際、『 プロジェクトX 』 を見て、「病気で苦しむ人たちを救うためにお医者さんになるんだ」 と決意し、一生懸命勉強を始めた子どももいた。

勉強する目的が 「自分だけいい生活をする」 「自分だけいい会社に入る」 「自分だけ高い給料をもらう」 というだけでは、今ひとつ盛り上がらない。

「世の中の役に立つ人になる」 → 「そのために勉強するんだ」 という動機づけは、奮い立つきっかけになる。



  

      
       おとな 「学問のすすめ」 斎藤 孝 筑摩書房





  


  

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