中国人が感動する日本のトイレ 2
いちばん感動したのは、きれいなトイレ
人が見ていないところでも掃除する、その代表格といえるのがトイレだろう。
2010年、日本では植村花菜の 『トイレの神様』 という歌が大ヒットした。幼い頃、トイレ掃除が苦手な自分に、同居しているおばあちゃんが、トイレにはキレイな女神様がいて、毎日キレイにしたら女神様みたいにべっっぴんさんになれる、と教える歌だ。
両親や学校の教師からトイレ掃除にまつわる話を聞かされて育った日本人にとって、美しいメロディと歌詞はストンと心の中に入ってくるものだった。
「トイレ掃除をするとお金に恵まれる」
とか
「トイレを掃除すると出世する」
といった話は今も世代を問わず日本で語られる。
仏教ではトイレ掃除をして陰徳を積めば必ずよい報せが現れるといわれているし、「経営の神様」といわれた松下幸之助もトイレ掃除に励み大成功した。
そんな日本人の思いを体現したような歌
『トイレの神様』 は、日本人だけでなく多くの中国人の心をもとらえていた。
発売後、在日中国人留学生などが 『洗手間的神明』(トイレの神様)と中国語のタイトルと歌詞をつけ、インターネット上に書き込んだところ、中国でも大きな話題となった。
2010年7月に開催された上海万博で中国語の字幕つきで植村花菜が歌ったときには、多くの中国人が感動して涙を流したといわれている。
上海の外資系化学メーカーで働く楊鵬程(26歳)も10年の夏頃、インターネットでこの歌の中国版を偶然聞いた。
楊は出張で東京に来たことはあるが、日本人と本格的に接触した経験は一度もなく、日本についての知識もほとんどない普通の中国人青年だ。
「トイレに神様がいるなんていう発想自体、奇想天外で中国人にはとても考えられないことでした。しかも、なんでわざわざいちばん汚いトイレの中にいるの?(笑)って不思議に思った。
でも、日本に留学している友だちから話を聞いて合点がいきました。(たとえ本人たちが意識していなくても)日本人にとって、いつも身近に神様の存在があり、困ったときにはいつもその神様にお願いするんだと。
それに神様はトイレだけでなく、大切にしているモノとか木とか岩とか、いろんなところにいるんだと聞きました。
その話を聞いてとても驚いたし、日本という国に興味を持ちました」
つづく
「中国人エリートは日本人をこう見る」 中島恵 日経プレミアシリーズ
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