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2012年1月 7日 (土)

足るを知る 2

  
  
  
メキシコの漁師が小さな網に魚をとってきた。

その魚はなんとも生きがいい。

それを見たアメリカ人旅行者は、「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。

すると漁師は 「そんなに長い時間じゃないよ」と答えた。

旅行者が 「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるのにはこれで十分だと言った。

「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」と旅行者が聞くと、漁師は、「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタ(昼寝)して。夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌を歌って・・・・ああ、これでもう一日終りだね」

「ハーバード・ビジネス・スクールでMBMを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。

いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を二隻、三隻と増やしていくんだ。

やがて大漁船船団ができるまでね。

そうしたら、仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。そのころにはきみはこのちっぽけな村を出てメキシコシティに引っ越し、それからロサンゼルス、さらにはニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」


漁師は尋ねた。


「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」

「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」

「それからどうなるの」

「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」と旅行者はにんまりと笑い、「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」

「それで?」

「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。 どうだいすばらしいだろう」





 * 出典:藤井義彦『ハーバード流「第二の人生」の見つけ方』東洋経済新報社)




   


   

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