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2010年7月19日 (月)

生きている念仏 2

 

    
昨日、生きている念仏の本の中から真理そのままに生きていた、まさしく仏様のような人た

ちのことを書いたのですが、読みかえすうちに又感動が甦り、私がうる覚えて書いてしまっ

たものをもっと詳しくそしてもう後2、3感動のお話をご紹介させていただこうと思います。





み仏のみ心のままに


宗教の道は理屈でもなければ、上手な言葉のやりとりでもない、只神仏のみ心に沿った行

いにある、と私はいつでも申しますが、浄土門に多い妙好人たちに生き方は、如来様のみ

心そのままの生き方で、私は常にその行動に強い感動をおぼえるのです。

またその妙好人の話を書いてみたいと思います。

注)妙好人(みょうこうにん)とは、念仏者をほめたたえる言葉。



          * 


兵庫県揖保郡太子町北村というところに、二百年前に、宇右衛門(うえもん)という馬子(馬

をひいて人や荷物を運ぶことを職業とした人)がおりましたが、この宇右衛門は、若い頃力

自慢で乱暴な人でしたが、或る時念仏の説法を聴聞しているうちに、後生の一大事、

という阿弥陀如来の本願を説き聴かされ、非常に興味をもって念仏門に入ることになりま

した。

そして次第に心改まり、唱名念仏絶ゆることなき、昔とは別人の柔和にして不言実行の信

者となり、馬子もやめて、農業に精を出し、かりそめにも人と争わぬ、法のまま生くる生活

を身心に行じるようになりました。


昔、禅宗の大徳白隠禅師が、近所のいたずら娘の懐胎の罪をなすりつけられた時、そうか

と言って、無実の罪を引き受けられたことが、美談となって伝わっておりますが、宇右衛門

にも、これと同じような佳話があるのです。


太子町太田より南、山陽線にそって山戸というところがあります。この村の某という者が、

亡父十七回忌法事の記念に仏壇を買い、宇右衛門にこの礼拝を頼みました。

宇右衛門はその家を訪ね仏壇を礼拝して帰りましたが、その後で大変な問題が持ち上り

ました。

それはその某が金二十五両を仏壇の引出しにしまっておりまして、いよいよ入用だという

日になってあけてみますと、その金子がありません。

仏壇の前に行ったものは、家内のものか、宇右衛門しかおりません。

盗人の入った風もありません。

そこで某は女房に向い

「宇右衛門さんは正直な念仏者ではあるが、凡夫だからふと盗み心が起ったかも知れ

ん。」と話しますと、女房も同感したので、某は急いで宇右衛門の宅へ参り実はかようか

ようでと、さも言いにくげに申しました。

大抵の人ならこんな疑いをかけられたら、腹を立てて怒鳴りつけてしまうところですが、

宇右衛門は怒るどころか、その話をきき終わるなり、どうもすまぬことを致しました、といい

ながら、二十五両の金を渡してその罪をわびました。

さてその後、その人の隣の人が用事があって大阪に行き、その人の息子の家に立寄り、

四方山(よもやま)の話のついでに宇右衛門が、仏壇の引出しから金を盗んだことを話し

ました。

息子はびっくりして、その金なら実は私が大阪に来る時に持ち出した、実に宇右衛門さん

に済まぬことをした、と急いで山戸に帰り、両親に打ち明け、その足で宇右衛門の所へ行

き、重々詫びながら二十五両を返しますと、宇右衛門はかえって気の毒そうに、それでは

前生でお借りしてはおりませんでしたか、といってその金を受取りました。━


宇右衛門のこの素直さはどうでしょう。現代の人からみたら、馬鹿ではなかろうかと思われ

ますが、何事がでてきても、過去世の因縁の現われと思いこみ、すべての出来事事柄を、

過去世と結びつけていて、今生だけの出来事とは思っていないのです。

自分の顕在意識(あらわれのいしき)では判らないが、すべては阿弥陀如来様のみ心に

よって現われてくることなので、その事柄が如何に自分に都合の悪い事柄であろうと、

素直に受け切って生きてゆく、という素晴らしい真理の生き方を、何気なく当然のこととして

行じている、この宇右衛門の素直に徹した姿は光輝く尊いものです。

現代の人の生き方の習性は、自分の間違った行為でも、何とか言いぬけて、自分の損に

ならぬように、という、今生の瞬間瞬間利害関係で動いているそういう人が多いのです。

天と地の差です。

これが白隠ほどの学問修行を積んだ人なら又別格ともいえるでしょうが、馬子上がりの百

姓爺の学問知識のない人の行為なのですから、宗教の道は百知は一真実行に及ばず、

という守護神の言葉がよく判ります。

妙好人宇右衛門には、そうした種々の話があります。もう二、三書いてみましょう。


              つづく




        『生きている念仏』 五井昌久 白光出版



  

 

 

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