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2006年10月 9日 (月)

まだ見ぬ人に救われる

僕のところには、毎日たくさんの電子メールが送られてきます。不況を反映しているものが多いです。そうしたメールの中に若い方からのこんな相談がありました。父が借金をしてどうしようもなくなりました。父の会社は倒産して、毎日お酒に浸っています。まったくやる気をなくしている父がお金の無心をしてきます。毎月4、5万円をあげているのですが、この状態が一年近く続いています。姉も200万円ほど父に渡していますし、私も100万円ほど渡しました。この先とっても不安になりますという内容です。僕はこの方と面識は全然ありません。

僕は20代の頃、多額の借金を返済していました。どうしようもないと思ったときに、父に会って借金を返済したいので助けて欲しいとお願いしたことがあります。新築の父の家には僕の部屋はありません。居間で父に相談しましたが、父からの答えは厳しいものでした。「大人になってお前も、社会で一人生きてゆかなくちゃあかんやろう。いま、お前にお金を出してやっても何の見返りもないだろう。投資するには余りにも貧弱な男やな。わるいけどお前にはビタ一文お金は出してやれへんで。どこに住んでいるか知らんが家に帰り。今のお前にお金を出すのは、酒飲みにお酒を止めるからお酒を飲ましてくれと言ってるのと同じや」。僕は自分の借金を返済するのにそれから10年間、父を恨みました。すべての借金を返済してから、一切のビジネスから手を引いてアメリカに放浪の旅に出ました。手元には150万円残りましたので、そのお金を持って使い終わるまで北米大陸を転々としていました。

アメリカから帰ってきて、実家に10年ぶりに報告に行きました。その時に母が言いました。「あなたの父は、あの晩仏壇の前で泣いていました。今すぐに息子のもとにお金を持って行ってやらないと自殺するかもしれないと言って泣いていました。私は私達のたった一人の息子がそれで死んでゆくことはないと言いました。私達の息子はそんな貧弱な育て方をしていませんと、だからお父さんが話したようにじっと息子を信じて見守りましょうと言いました」。その時に厳しい両親の愛をはじめて感じました。百獣の王ライオンは我が子を谷底に突き落として這い上がって来た者だけを育てると言いますがまさにそのような育て方でした。しかし、そのおかげで僕は自分を厳しく戒めていくことを学びました。この話からあなたの父への何かしらのアドバイスになれば良いと思います。このような内容で、メールの返信をしました。

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